暗吾の覚書

3.5流大卒→軽度鬱病ニート→社会復帰フリーターと順調に社会底辺へと向かう渦にのまれている男。当座の目標は大学院進学。最近自分の口から出る言葉が信じられなくなっているので、なんとなくブログを始めてみました。

毒と爆弾とキメラ ① 声優と中の人

前回、自分をオタクだと称したけど、何か一つのコンテンツや作品に対して、他人に自慢できるだけの造詣や愛情があるわけではないし、また広く浅い知識があるわけでもない。

 

だから、知識の間違いや浅さが目に付くところはあると思う。大目に見ていただけると助かるが、あまりにも目に余る場合はご注意いただければ幸いである。

 

前置きはこの辺にしておいて、早速今回の本題に入ろうと思う。

 

 

 

 

中の人コンテンツの成功例――声優さんの立ち位置

(詳しくない人のために、昨今の声優さんという存在について書きます。にわか知識もいいところなので詳しい方は①を飛ばして、②へどうぞ)

 

まず大前提として、中の人という言葉が何を指すか。

 

これはまぁ、使われる界隈にもよるが、オタクの間では大抵の場合声優のことを指している。ごくまれに特撮などのスーツアクターなんかもこう呼ばれているけど、まず声優のことだと思ってもらえれば間違いない。

 

で、ちょっとメルヘンに表現すれば、声優さんは二次元のキャラクターに声を貸す人々だ。間違いなく演技のお仕事であり、役者さんだけど、人前に出て仕事をするわけではない。普通の俳優とは違って裏方っぽい立ち位置の人々―――

 

―――のはずなんだけど、最近はそう表現すると実体とかなり乖離する。

 

ちょっとTwitterなんかを漁ってもらえれば分かる。最近は声優の立ち位置がちょっとしたアイドルみたいになっており、声優名義のCDなんかも飛ぶように売れているし、握手会なんて開けば炎天下に長蛇の列ができる。

 

月並みな表現だが、今や声優さんはアイドルなのだ・

 

ここまでならば、別にどうってことはない。オタク趣味にジャンルが一つ増えただけだ。たぶん、アニメ好きと声優好き、ひいては二次元キャラクター愛好家と声優愛好家は棲み分けした上で生きていける。

 

けれど、そうは問屋が卸さなかった。保守的なくせに新しもの好きで、孤高を気取りがちなくせにパロディを本能的に求めるオタクによって、とあるメタネタが生まれてしまったのだ。

 

声優さんの個性がキャラクターを侵食する、いわゆる中の人ネタ、である。

 

これはたぶん、最初は二次創作畑から生まれたものなんじゃないかと思う。pixivやニコ静なんかのイラスト投稿サイトを見てもらえれば分かるが、共通の中の人を持つキャラクターが衣装や髪形、果てには性格まで交代しているってネタが溢れている。(これは正確には中の人繋がりと呼ばれるもので、純粋な中の人ネタではない)

 

非オタの人には理解できないだろうけど、この手のネタを好物とするオタクっていうのはごまんといる。というか、大抵のオタクはこの手の中の人ネタに触れているし、笑って受け入れている。

 

理屈をつけようとすれば、いくらでも付けられるだろうけど、なんていうか、新鮮で面白いっていうのが一番感性だよりの感想だろうか。自分のヲタ知識が再確認できるって意味では、一種のパロネタにも分類されるかもしれない。

 

これは、基本的に二次創作だからこそ生れたネタだし、許されるネタだ。実際、この手のネタを毛嫌いする人はいる。

 

僕も昔は嫁に変なキャラ付けをされたら、内心穏やかじゃなかった。

 

今だってそれこそVTuber界隈にもいるガチ恋勢からすれば、ざけんなと切れる案件だろう。こういう人種の立場からは、まるでキャラクターが侵食汚染されているように感じるのが、中の人ネタというものだ。

 

傾向として声優とキャラクターの結びつきが強いコンテンツで多く見られる現象だけど、何か特異なキャラクターを持っている声優の場合、割と二次創作では浸透しやすいし、作者がファンの場合はサラッとぶっこまれることもある。このご時世、あまり褒められたものではないけれど、貧乳ネタとか結婚ネタとか。

 

まぁ、最近のワンクールアニメでは声優さんとキャラクターの結びつきが強くはないので、キャラクターが侵食されることはごくまれで、それだって二次創作界隈でちょっとした流行りになるくらいだ。

 

再三にわたって言っておくが、これはあくまでも二次創作ネタであり、あまりにもデカい顔してこのキャラ造形を振り回すと、嫌な顔をされるものでしかなかった。

 

けど、それでも、声優さんの魅力は偉大で、そこに目を付けたオタクと企業がいた。

 

ご長寿コンテンツ、アイドルマスターである。